資本金を決めるポイントとしては、
①信用力
②運転資金
③許認可事業
この3つのポイントから決めていくのがよいかと思われます。
①の信用力に関しては、会社法が変わる前(資本金に規制があった時代)は、有限会社300万円、株式会社1000万円とされていましたので、この金額を1つの基準にするとよいかと思われます。
ただし、取引先から「資本金が1000万以上じゃないと取引しない」「株式会社は1000万以上じゃないと認めないという習慣がある(ありそうだ)」という場合もありますので、大口の取引先(候補)に確認してみることも必要かもしれません。
②の運転資金に関しては、他のQ&Aでも少し触れていますが、会社設立初月から売上がない場合には、資本金が運転資金となりますので、月々の固定費と売上計画とのバランスで、決めていく必要があるかと思います。
③の許認可事業に関してですが、おこなう事業によっては、資本金の額が要件となっている事業があります。例えば、建設業であれば原則として、500万円以上の資本金が必要ですし、人材派遣業(一般派遣業)であれば原則として、1,000万円以上の資本金が必要で、プラス現金・預金が800万円以上必要です。
このことを知らずに会社を設立してしまうと、事業を始めることができませんし、気づいて資本金を増やすときに費用がかかります。また、資本金を増やす手続きをとっている間の期間も必要となり、事業を開始するのが遅れますので、会社の事業が許認可が必要かどうかと資本金の額が要件となっているかどうかを十分調査しておく必要があります。
以上が資本金を決めるポイントですが、会社を設立した初月から黒字が見込め、①の信用力と③の許認可事業の問題がなければ、資本金はいくらに設定されてもよいかと思われます。